スター・ウォーズ学 (新潮新書)

スター・ウォーズ学 (新潮新書) の詳細

当方30歳。僕が生まれた時、旧三部作は既に伝説の作品でした。かつて熱狂した親たちに幾度となくVHSで観せられた映画です。故に当たり前のようにキャラクターやストーリーについて仲間とSW論を闘わせるくらいには、作品に触れる機会の多かった世代だと思います。しかし我々には永遠に拭えないコンプレックスがありました。それは『公開当初の興奮や空気感を知らないこと』でした。尋常じゃない情報量を持ったオタク、というのは同世代にも後の世代にもいるものですが、オッさんに『何度も並んで観た興奮が忘れられないなぁ。あの時、時代は変わったんだよ』とか言われたら、それでもうお手上げです・・我々がどんなに愛しても120パーセントスターウォーズを楽しむ事ができるのは、リアルタイム世代の特権なのだなと諦めていました。そこでこの本の登場です。映画評論家の清水氏とゲームクリエイターであり作家の柴尾氏が、その膨大な知識と深い愛で詳細にこの神話が産まれた経緯や当時の空気感、そして後世に与えた影響を書き記しています。暗雲たちこめるような時代、希望に満ちたこの作品が人々の心を救ったという事実に涙しルーカスと彼を取り巻く人々の苦悩や友情に感嘆のため息を漏らしました読者は公開当初の時代に思いを馳せ、その感動を追体験するのです。慣れしたんだエピソード1〜6の捉え方も大きく変わりました。個人的には、膨大な知識から的確な情報をテンポ良くわかりやすく書いてくれる清水氏のスタイルに普段慣れ親しんでいるので、そういった部分も堪能できる本だと思いました。読後感はズバリ・・この一冊があればオッさん世代にも負けない（笑）と、思わせるほどの内容です。『じゃあなんで星4つなの？』と聞かれたらこんな本が書けるのは紛れもなく公開当初からスターウォーズを、そして映画を愛し続けているオッさんだけだから・・やはりそれが悔しくて言いがかりに近い星4つです（笑）内容はぶっち切りの星５つ！生まれた時からスターウォーズが存在していた世代こそ是非！