日本の歴史 (1) 神話から歴史へ (中公文庫)

日本の歴史 (1) 神話から歴史へ (中公文庫) の詳細

このシリーズの著作の第一番目。古代日本社会の成立を扱っている。高校３年生のとき、受験用の参考書として、読んでみた。しかし、高校生にはやや難しく、一日１０ページ読むのが、精一杯であり、６００ページを読むのに、約２ヶ月必要だった。一日読み終えるたびに、その個所を折っていたので、文庫本の背の部分が、ぼろぼろになり、最後には、本自体の厚みが少し増したような気がした。この１巻目を終了すれば、全巻を読み終えることも、それ程、難しくはなかった。なぜか、最初のこの巻だけ、精読が必要だったから。内容は、日本古代に関する本格的な歴史学を一般向けにやさしく解説したものである。しかし、重要なことは、高校で学習する歴史と少し異なっているという点である。日本古代史が大学で役に立ったとは思わないが、大学で必要とされる文章のスタイルや論理、そして言葉遣いを学習するのには、最適だった。少し注意して欲しいのは、大学受験の記述式問題には、きわめて有効な学習書だが、個々の知識を問う問題には、ほとんど無力だったということです。しかし、それにもかかわらず、敢えて、高校生にお勧めしたい。この書を読んでください。そうすれば、日本史のみならず、歴史学があなたを呼び始めます。そして、一生、あなたは、歴史学から離れることがなくなるでしょう。